精密な治療計画を支えるラボスキャナーのご紹介

精密な治療計画を支えるラボスキャナーのご紹介

今回は、当院で治療計画の精度向上に活躍している3Dラボスキャナーをご紹介します。

矯正治療や顎変形症などの外科的矯正治療では、治療計画のわずかな違いが最終的な治療結果に影響することがあります。そのため当院では、可能な限り高い精度で分析・シミュレーションを行うことを心掛けています。

デジタル機器にも「測定誤差」は存在します

現在のデジタル歯科医療では、CTや口腔内スキャナー(IOS)を用いて歯や顎の形態を三次元的に再現することが一般的になっています。

しかし、どれほど高性能な機器であっても、測定誤差を完全になくすことはできません。一般的には、CTや口腔内スキャナーには約0.1〜0.5mm程度の誤差が生じる可能性があると考えられています。

特に口腔内スキャナーでは、奥歯(大臼歯部)で誤差が蓄積しやすいことが知られており、精密な治療計画を立案する際には注意が必要です。

模型を回転させながら読み取るラボスキャナー

そこで当院では、必要に応じて3Dラボスキャナーを活用しています。

ラボスキャナーは石こう模型をさまざまな角度から回転させながら読み取るため、口腔内スキャナーとは異なる方法で三次元データを取得できます。その結果、より安定したデータが得られ、治療計画の精度向上に役立っています。

咬合器に載せたままスキャンできることが大きな特長

当院で使用しているラボスキャナーは、咬合器に装着した模型をそのままスキャンできることも大きな特長です。

上下の歯列を個別にデータ化するだけでなく、実際の噛み合わせを再現した状態のまま三次元データとして取り込めるため、より精密な咬合分析や治療シミュレーションが可能になります。

これは、矯正治療だけでなく、顎変形症治療や補綴治療など、噛み合わせが重要となる症例においても大きなメリットとなります。

当院で取り組んできた活用方法

実は、この「咬合器に載せたままスキャンする」という方法は、機器を導入した当初、メーカー担当者からも「まだ実際に行った例はありません」と伺っていました。

そこで当院では実機で検証を重ね、運用方法を確立しながら日々の診療へ取り入れてきました。

現在では、この活用方法が製品パンフレットにも掲載されるなど、少しずつ普及が進んでいます。

大切なのは「導入すること」ではなく「活用すること」

デジタル機器は導入するだけで精密な治療が実現するわけではありません。

それぞれの機器の特徴や限界を理解し、得られたデータをどのように治療計画へ反映させるかが、より良い治療結果につながる重要なポイントだと考えています。

当院では今後も最新のデジタル技術を積極的に取り入れながら、より精密で再現性の高い矯正治療・外科的矯正治療をご提供できるよう努めてまいります。