〈子どもの時だけ可能です〉 親知らずは、“たまご”のうちに取りましょう!

あなたのお子さんが、将来親知らずで困ることになるかもしれません。

「うちの子は大丈夫かな?」
そう不安に思う親御さんも多いのではないでしょうか。

すでにご自身が親知らずで苦労した経験をお持ちの方もいると思います。
「抜くときに大変だったなぁ…」と当時の記憶がよみがえる方もいるでしょう。

あるいは自分は経験がなくても、親せきや知人が「親知らずで大変だった」という話をしているのを聞いたことはありませんか?


親知らずが横向きに生える理由

下の歯並びがすでにガタガタしていたり、子どもの歯の間に隙間がない場合、親知らずが生えるスペースはほとんどありません。
その結果、親知らずは 横向きに埋まって生えてくる(水平埋伏智歯) ことが多いのです。


大人になってから抜くとどうなる?

横向きに埋まった親知らずを抜く場合には、次のような処置が必要になります。

  1. 歯ぐきを切る

  2. 横向きに埋まった歯を取り出すために骨を少し削る

    • 骨を大きく削れば作業はしやすいのですが、削れる量には限界があります。

    • そのため、歯をそのまま引き抜くことはできず、どうしても 歯を砕いて割って取り出す 必要があります。

  3. 砕いた歯の破片をすべて取り除き、骨の表面には やすりをかけて整える

  4. 3〜4針ほど縫合する

局所麻酔でも対応できますが、「歯を砕くときの衝撃」は大きく、処置を受ける本人にとっては大変な負担となります。


子どものうちなら“たまごの状態”で

当院では、親知らずがまだ“たまご”のようにやわらかい状態(歯胚)のうちに取る 歯胚摘出術 をおすすめしています。
ただし、この方法ができるのは 子どものある一定の期間だけ。歯がやわらかいうちに限られます。

この時期であれば…

  1. 歯ぐきを少し切る

  2. 骨はまだ穴が開いているので削る必要なし

  3. 中身はグミのようにやわらかく、チュルンと取れる

  4. 縫合も1〜2針で済む


特に下顎の親知らずは要注意!

親知らずが横向きに生えると、さまざまな悪影響が検討され、そのメカニズムについても研究が続けられています。
実際の臨床でも、次のような問題が起こることがあります。

  • 第二大臼歯の歯根を吸収する

  • 第二大臼歯を押し上げて位置を狂わせる

  • 半分だけ萌えてきて、歯ぐきが腫れやすい(智歯周囲炎)

  • 歯肉にかぶっている部分が虫歯になりやすく、さらに虫歯が他の歯にも広がる

  • 中途半端な生え方で、噛むときに当たりが不安定になり、顎関節に負担をかける
    → 特に 下顎が小さいタイプの方は顎関節症の一因 になると考えられています


当院での取り組み

当院では、こうしたリスクが考えられる 該当する患者様にお声がけし、丁寧にご説明を行ったうえで、最終的にご本人・ご家族にご判断いただいております。